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練習問題:熱の科学

設問 (熱の科学)

問1

気体の状態方程式( PV = nRT )について間違っているものを選べ。

Pは圧力、V は体積、T は温度を表す。
n は物質量(モル数)を表す。
R は定数で、気体定数と呼ばれ、(理想気体とみなせるならば)気体によらず一定である。
一般に、P, V, T は熱力学変数と呼ばれ、このうち二つを決めると残りのひとつは決まってしまう。
n, R, T が一定のとき、P と V が反比例することをボイルの法則という。
n, R, P が一定のとき、T と V が比例することをシャルルの法則という。
圧力も体積も変えないまま、密閉された容器内の温度を 0℃から100℃に変えることができる。

問2

温度の実態について説明したものを選べ。

温度は分子の(並進運動の)運動エネルギーに対応している。
熱も分子の(並進運動の)運動エネルギーに対応しているので、全く同じものである。
温度は分子の(並進運動の)運動エネルギーと関係ない。

問3

分子運動についての力学的エネルギーについて誤っているものを選べ。

2原子分子よりも大きい分子の場合には、分子の回転運動も重要になってくる。
分子間の距離が十分に遠い場合には、分子間の引力は関係ないので位置のエネルギーは考えなくてよい。
液体の場合には分子間の距離が短いので、分子間の引力による位置のエネルギーが重要である。
分子は小さいので位置のエネルギーは関係ない。

問4

液体が蒸発するとき、凝結する時のことについての以下の記述で誤っているものを選べ。

液体が蒸発するとき、分子間の引力を振り切って遠ざかるので分子の速度は減る。
液体が蒸発すると、一般に温度が下がる。これを「蒸発熱が奪われて温度が下がった」という。
気体が凝結するとき、分子間の引力で引きよせされるので、分子の速度は増す。
気体が凝結するとき、一般に温度が上がる。これを「凝結熱が発生して温度が上がった」という。
凝結熱と蒸発熱は別物である。

問5

気体の気圧を一気に下げることについて、誤っているものを選べ。

気圧を下げると温度も下がる。
温度が下がって空気中の水蒸気が凝結すると雲ができる。
上昇気流によって雲が発生するのは、空気の塊が上空に移動する際、気圧が低下し温度が下がったためである。
気温が低下するのは、遠ざかる壁にボールを当てると、跳ね返ってくるボールの速度が遅いことと関係している。
ガスボンベは残りが少ない時に考える。ボンベからガスを出すとボンベの温度が高くなる。

問6

物体に熱を加えても温度の上がり方は物質にもよるし、物質の状態にもよる。このことについて誤っているものを選べ。

2原子分子は単原子分子よりも(1モルあたりで)温度が上がりにくい。これは、2原子分子は回転運動できるからである。
氷と水が共存している間は、熱を加えても温度が上がらない。これは、熱が、主として分子間の位置エネルギーの変化に使われているからである。
水が沸騰して水蒸気と共存している場合を考える。熱を加えても温度が上がらない。これは、熱が、主として分子間の位置エネルギーの変化に使われているからである。
水が相変化してもそれに伴う熱の出入りは無い。
水蒸気 1g が凝結すると、おおよそ 500g の水を1℃温度上昇させることができる。

問7

横軸に体積V, 縦軸に気圧Pをとったグラフがあるとする。ある特定の気体の状態をグラフ上に表す。このとき、以下の中から誤っているものを選べ。

温度が一定ならば、反比例のグラフになる。
一般に体積を増やすと圧力は減るので右下がりのグラフになる。
水が水蒸気になることを考える。このとき圧力(と温度)は一定のままで体積が増える。そこでグラフは横軸に平行な線になる。
断熱的に変化する場合には、等温の時に比べ、右下がりが急である。
体積をゼロに近づけると圧力もゼロに近付く。
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Last-modified: 2009-07-13 (月) 08:55:19