物理学の力学では、物体の運動が力によってどのように変化するかを勉強します。 ところが、物体の運動を考えるとき、その運動をきちんと表現できなければ話が 進みません。では、どのように表現すればいいでしょうか。
残念ながら、頭の中に思い浮かんだ物体の様子や、ビデオに撮影した物体の運動の様子を、 そのまま定量的に扱うことは非常に難しいことです。そこで、もっと別の方法で物体の 運動を記述したり、図に表したりすることになります。その中でも次の二つの方法を考えてみます。
例えば、日本国内を移動することを考えましょう。
どの時刻にどこにいたかがわかるように、地図の上にその場所にいた時刻を書き込んでいきます。
このような方法で運動を記述することができます。
一定時間置きに時刻を書き込んでいくと、混んでいるところは速く、疎らなところではゆっくりと
運動していることがわかります。
例えば、東北新幹線を考えると、東西方向にはほとんど進まず、主として南北方向に移動します。
この様な場合には特に、y成分を 時刻 t の関数として表すと便利です。同様に、東海道山陽新幹線は、
主として東西方向に移動しますので、x成分を 時刻 t の関数として表すと便利です。
それぞれ、グラフの傾きは、速度のそれぞれの成分に対応します。
一般的な2次元運動の場合にも、それを x, y の各成分に分けて考えることがあります。