これらの項についての詳しい情報は、"Dynamics in Atmospheric Physics" ( R.S.Lindzen, Cambridge University Press, 1990 )の第2章を参照されたい。 なお、適当な熱の拡散を氷の境界のところで 考慮したが、その詳細は省略する。
この式は、基本的には次の式と同等である。
熱容量 × 温度の増加分 = 与えられた熱量
与えられた熱量が同じでも、温度の上昇量はものの材質や 量に依存する。鉄などに比べて水は温まりにくいし、また 大きなものは温まりにくい。熱容量とはこの温まりにくさ を表す量である。
また、この式を微小な時間で考えれば、次のようになる。
熱容量 × 温度の時間変化 = 加熱率(単位時間あたりに与えられた熱量)
右辺の加熱率を地球の場合に調べてみると、元の式のよう になる。
全てのもの( 空気さえも! )はその温度に対応して赤外線 を射出している。そして赤外線を射出することによって自 身冷却している。
例えば地球に太陽の光が当たらなくなったらどうだろう。 地球は冷えていくことが予想されるがそれは赤外線を射出 して外にエネルギーを出しているからである。
放出するエネルギーは温度が高い程多くなる。地球の温度 が高すぎないのは高すぎるとエネルギーの放出量が多くな るからである。
もしも地球上で熱の輸送が無かったら、赤道付近は今より ももっと暑く、極付近は今よりももっと寒くなるであろう。
地球上の温度差によって風が駆動され、海洋も循環を起こ す。こうしたものが熱を運んで( 冷たいものが赤道 方向に 移動し、暖かいものが極方向に移動して)、温度差があま り大きくならないようにしているのである。
_ _ │\ /│ ○ 桜美林大学 │ ∨ │┌┐┌/ ┌┐ 物理学(地球流体力学) └┘└┘└┘└┘└┘──────────────