運動の表現

表現方法

物理学の力学では、物体の運動が力によってどのように変化するかを勉強します。 ところが、物体の運動を考えるとき、その運動をきちんと表現できなければ話が 進みません。では、どのように表現すればいいでしょうか。

残念ながら、頭の中に思い浮かんだ物体の様子や、ビデオに撮影した物体の運動の様子を、 そのまま定量的に扱うことは非常に難しいことです。そこで、もっと別の方法で物体の 運動を記述したり、図に表したりすることになります。その中でも次の二つの方法を考えてみます。

• 方法１: 座標平面上の点に、その場所に対応する時刻を書き込む。

  例えば、日本国内を移動することを考えましょう。 どの時刻にどこにいたかがわかるように、地図の上にその場所にいた時刻を書き込んでいきます。 このような方法で運動を記述することができます。
  一定時間置きに時刻を書き込んでいくと、混んでいるところは速く、疎らなところではゆっくりと 運動していることがわかります。

• 方法２: 東西方向((x方向)と南北方向(y方向)の運動に分割し、x成分、y成分の時刻(t)の関数として表す。

  例えば、東北新幹線を考えると、東西方向にはほとんど進まず、主として南北方向に移動します。 この様な場合には特に、y成分を 時刻 t の関数として表すと便利です。同様に、東海道山陽新幹線は、 主として東西方向に移動しますので、x成分を 時刻 t の関数として表すと便利です。 それぞれ、グラフの傾きは、速度のそれぞれの成分に対応します。
  一般的な2次元運動の場合にも、それを x, y の各成分に分けて考えることがあります。

やってみよう

やり方

□　左下隅の三角をクリックするか、t= と書いてあるところで右クリックして animation をオンにします。
　　時間の計測が始まります。
□　画面の赤い点をマウスでドラッグします。
　　右側に x 座標、y 座標の時間変化を表すグラフができていきます。
□　Ctrl + F で画面をリフレッシュできます。
□　ページを再読み込みすると、最初の状態に戻ります。

　　　　

課題

• 制止している場合(ボタンを押したままマウスを動かさない場合)の x-t, y-t のグラフはどのようになるでしょうか。
• x 軸に沿って動かした時にはどのようなグラフになるでしょうか。
• y 軸に沿って動かした時にはどのようなグラフになるでしょうか。
• 円運動の場合にはどのようなグラフになるでしょうか。
• 斜めの往復運動の場合にはどのようなグラフになるでしょうか。